それから、嬉しかったのは費用面です。
その矯正歯科では、最高36回まで月々に割って支払うことができるのだそうです。それなら、卒業まではアルバイトと貯金で払っていけそうだし、それでうまく就職できたらその後も支払いを続けられます。
洋服もあまり買えないしちょっと大変かもしれませんが、それでなにか新しい人生というか、一生が変わるかと思えば、いまが頑張りどころなのかなと。ただ、分割で支払いをするには、わたしは学生なので親の了承がいるんですね。
黙ってやっても、そのうちばれてしまうし、私自身それはちょっとあまりいい気持ちじゃないので、やはり話すことにしました。でもこのあいだみたいに電話だと、売り言葉に買い言葉みたいになってしまってもいけないので、自分の思いがちゃんと伝わるように、手紙を書いたんです。
就職活動の状況と、どうして歯列矯正したいかと、支払いをこんなふうにしたいのでハンコを押して欲しいということ。もちろん、アメリカのことは書きませんでした。いえ、アメリカではこんな習慣だということは書かないで、留学するときに借りたお金をどういうふうに返すかということを、計画をたてて説明しました。今までは、なんだかんだと伸ばしていたのです。それも、というか、それが良くなかったんですね。そうしたら、届いたその日のうちに電話が来ました。
なんと、留学の費用は返さなくてもいいそうです。まみこは無駄遣いもそんなにするほうじゃないから、本当に自分でいいと思っているのならやりなさい、って。嬉しかったぁ!